TCFD提言に基づく気候関連の情報開示
当社グループは、企業理念における、「一歩先を行く技術」「地球を大切にする心」「思いやりのある行動」に則り、技術開発による地球環境への貢献と働く人々のやりがいが持てる風土作りを通じて、事業の成長と社会への貢献を目指して、持続的な企業価値の向上に努めることを方針としております。
シンフォニアテクノロジーは、従来からECOing活動として、環境に配慮した商品開発やエネルギー使用量、廃棄物の削減及び環境保全における地域社会への貢献等に取り組んでおります。 気候変動の対応についても、今後、TCFD※ 提言に沿って順次開示を進めてまいります。
TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures(気候関連財務情報開示タスクフォース)の略
金融システムの安定化を図る国際的組織である金融安定理事会(FSB: Financial Stability Board)によって2015年12月に設立された組織。
2017年6月に「気候関連のリスクと 機会について情報開示を行う企業を支援すること」と「低炭素社会へのスムーズな移行によって金融市場の安定化を図ること」を目的とした提言を公表した。
これまでの気候関連の取り組み
・2023年6月 「戦略」および「指標と目標」の開示
ガバナンス
サステナビリティへの取り組みについては、新たに設置した サステナビリティ委員会にて、ガバナンス体制の構築に努めてまいります。サステナビリティ委員会の委員長は社長が務めており、サステナビリティ関連の重要課題に対する基本方針を決定し、達成のための行動計画を策定します。気候変動への対応を含む環境関連の取り組みは、重要課題の1つとして本委員会で議論し活動しており、決定した方針や進捗状況は、経営会議および取締役会に報告を行い、レビューを受ける仕組みとしています。
気候関連の会議体の概要
会議体 |
開催頻度 |
実績(開催時期・内容) |
---|---|---|
サステナビリティ委員会 |
2回/年 |
2022年5月:TCFD開示、温室効果ガス排出量削減状況 2022年12月:温室効果ガス排出量削減状況 2023年5月:TCFD開示、温室効果ガス排出量削減状況 |
経営会議 ※ |
2回/年 |
2022年6月:TCFD開示、温室効果ガス排出量削減状況 2022年12月:温室効果ガス排出量削減状況 2023年6月:TCFD開示、温室効果ガス排出量削減状況 |
取締役会 |
2回/年 |
2022年6月:TCFD開示、温室効果ガス排出量削減状況 2022年12月:温室効果ガス排出量削減状況 2023年6月:TCFD開示、温室効果ガス排出量削減状況 |
社長の諮問機関として経営に関する重要事項の審議・報告を行う
戦略
当社では、気候変動が将来の事業に与えるリスク・機会とその財務インパクトを把握するためにシナリオ分析を実施し、その結果をもとに事業活動のレジリエンスを強化するための施策を検討しています。シナリオ分析にあたり、国際機関などが公表する4℃シナリオ(産業革命期頃の世界平均気温と比較して2100年頃までに4℃上昇するとする世界)と2℃(1.5℃)未満シナリオ(カーボンニュートラルへの取り組みにより1.5℃~2℃程度に気温上昇が抑制される世界)の2つのシナリオを設定し、それぞれのシナリオにおける2030年時点での当社事業への影響について考察しました。
シナリオと当社事業へのリスク・機会の評価
4℃シナリオ:異常気象の激甚化などの気候変動による物理的な影響が発生することが予想されます。リスクとして、事業所やサプライチェーンが被災することにより、施設の修繕コストや調達コストが増加することが想定されます。機会としては、平均気温の上昇により空調の使用が増加するため、冷凍機関連製品の売上が増加すると予想されます。
2℃(1.5℃)未満シナリオ:炭素税の導入や再エネと省エネに関する政策や技術の進展など、脱炭素社会への移行に伴う影響が起きることが予想されます。リスクとして、排出量削減の規制強化を受けて、設備什器の高効率機への更新が迫られた場合の支出増加やGHG排出規制によりGHGを排出しない製品の需要が拡大します。そのため、アンモニア・水素関連製品の売上が増加、電動化が進むことにより、半導体関連製品、電源供給関連製品の需要増加が予想されます。
気候関連問題による影響 (リスク・機会) |
想定される事象 | 2030年時点の 当社事業への影響 |
|||
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4℃ シナリオ |
2℃未満 シナリオ |
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脱炭素経済への移行に伴う影響 | リスク | 炭素税・排出権取引の導入 | - | 大 | |
GHG排出規制への対応 | 小 | 大 | |||
リサイクル規制 | 小 | 中 | |||
再エネ政策 | 小 | 大 | |||
原材料コストの変化 | 小 | 中 | |||
顧客の評判変化 | 小 | 大 | |||
機会 | GHG排出規制への対応 | 中 | 大 | ||
リサイクル規制 | 中 | 大 | |||
再エネ政策 | 中 | 大 | |||
低炭素技術の進展 | 中 | 大 | |||
気候変動による物理的な影響 | リスク | 異常気象の激甚化 | 大 | 中 | |
平均気温の上昇 | 中 | 小 | |||
労働・施工条件悪化 | 中 | 小 | |||
機会 | 平均気温の上昇 | 大 | 中 |
<リスク・機会への対応>
今後はシナリオ分析の結果を受けて、当社にとって影響が大きい項目について対応策を検討、実行してまいります。特に脱炭素戦略では、設定した目標を達成するための方策を全社的に検討していきます。リスクに対しては、生産活動における省エネや高効率空調などの環境配慮型設備の導入、太陽光発電などの再生エネルギーの導入等を推進します。機会に対しては、脱炭素に貢献する商品の開発を行います。
リスク管理
当社では、気候変動リスクを重要な課題の1つとして認識し、サステナビリティ委員会にて、気候変動に関わるリスクと機会の情報収集及び特定、評価しリスク低減に向けた取り組みや リスク顕在時の情報共有及び適切な対応の実施等を行っています。今後、当社にとっての重要度及びステークホルダーにとっての重要度を検討した上で、当社が取り組むべき マテリアリティの特定を行う予定です。
指標と目標
当社は、気候変動が及ぼす当社事業への影響を評価・管理するために、温室効果ガス排出量(Scope1,2)を指標として、2030年度までに30%削減(2018年度比)することを目標に設定しました。